女性アスリートの
抱える問題female athlete
女性アスリートは、競技に打ち込む中で「女性アスリートの三主徴」と呼ばれる健康上の問題に直面することがあります。これは以下の3つの要素から成り立ち、互いに関係し合っています。
① 利用可能エネルギー不足
運動で多くのエネルギーを使う一方、食事からの摂取エネルギーが足りないと、体が生命維持のために必要な働きまで制限してしまいます。これは意識的なダイエットだけでなく、忙しさやストレスで食事量が少ない場合にも起こります。
② 月経異常、無月経
エネルギー不足が続くと、脳と卵巣のホルモンのやりとりが乱れ、月経が遅れたり止まったりします。特に3か月以上月経がない場合は、放置せずに医療機関に相談することが大切です。月経は体の健康状態を表す重要な指標です。
③ 骨粗鬆症
月経異常により女性ホルモンの「エストロゲン」が減ると、骨をつくる力が弱くなり、骨折のリスクが高くなります。成長期は骨を強くする大切な時期なので、早めの対応が将来の健康を守ります。

この三主徴は、プロ選手だけでなく、部活動や趣味でスポーツをするすべての女性に関係があります。自覚しにくい症状も多いため、日頃から以下のことに気をつけましょう。
- 食事は抜かず、栄養バランスを意識する
- 月経が止まったら「体からのサイン」と受け止める
- 骨の健康のためにカルシウム・ビタミンDをしっかり摂る
- 疲れが抜けない、けがが多いなどの変化を見逃さない
競技力の向上のために、まずは健康であることが重要です。自分の体と向き合いながら、スポーツを続けていきましょう。心配なことがあったら、ためらわずに医療機関を受診しましょう。